少しビックリしてしまうようなタイトルですよね。
ジュエリーリフォームのやり直し、トラブルは統計を取ったわけではありませんが、私の感覚としてかなりの件数があるように思います。
再リフォームのご依頼を受けるということは、お客様はダブルで料金を払うことになるわけですから大変申し訳ない気持ちになってしまいます。
どうしてこのような結果になってしまうのでしょう?
そうならないためには、どのように依頼したら良いのでしょうか?
「こんな風に依頼していたらトラブルを防げたのではないか?」、そんなことをお伝えできればと思います。
手持ちのジュエリーを作り変えるリフォーム(リモデルとも言う)、または何も無いところからあなただけのジュエリーを作ったり、持っているダイヤモンドや色石を使ってジュエリーを作る(オーダーメイド)など、ジュエリー制作を依頼する理由は様々です。
やり直しや満足できない仕上がりにならないために、次のことに注意して依頼してください。
出来上がりイメージを伝える時の注意点
こんな物を作りたいという出来上がりのイメージがはっきりお客様の中にある場合は、ご自分の希望をできるだけ細かく伝えましょう。
ただここで要注意!
雑誌の切り抜きやインターネット内の画像などを提示し「これと同じに作りたい」と仰るお客様は多いですが、持ち込む石の大きさやリングサイズが違えばまったく同じ物には仕上がりません。
自分の石ではどのように出来上がるのか?デザイン画で確認するのが理想です。
打ち合わせが不十分
どのように依頼したかお客様に伺うと、とにかく打ち合わせが不十分であることが多いように感じます。
店側のオススメに従った結果、出来上がったら自分の好みと違っていた。
伝えたつもりが伝わっていなかった。
デザイン画やメモで確認を取っていなかったので、我慢して受け取らざるを得なかった。
・・・等々、残念なお話を伺います。
打ち合わせでは分からない部分、迷う部分を遠慮なく質問しましょう。
もしその内容で店側に不都合があると考えられた場合、「出来ない」と断られるかもしれません。
店側にとっての不都合とは、作業に危険がある、経験がない、自信がない、手間の割に儲からない、もしくは単に面倒くさいなどの店側の都合です。
けれど断られて正解なのです。
この部分をウヤムヤにしたまま店側のいいように制作されては、お客様の望む形にならない恐れがあります。
また逆にお客様のリクエストに「はいはい、出来ます」と何でも聞いてくれたけれど理想の物が出来上がらなかった、というケースも多く見られます。
店側は一旦「出来る」と受けてしまうと危険があってもやらざるを得なくなり、完成度を無視してお客様のリクエストをこなすことが目的となってしまいます。
「お客様のリクエスト通りに作りました」という言い訳が立つからです。
どちらにしても結局何が違っていたのか双方分からないまま、持ち帰らざるを得なかった。
こういった残念な結果にならないよう、納得行くまで質問し、最終的には自分で決めることが大切です。
事前の打ち合わせは十分に、必要であれば実物大でのデザイン画を提示すること。
「お客様のご要望どおりにお作りすると、こんな不具合やマイナス要素もありますよ」なんてことも誠実に伝えてくれる店は信頼が置けると思います。
そして会話の中から「この人になら任せられる!」と確信が持てる瞬間が来るはずです。
成功するジュエリーリフォーム《ジュエリーコラム》
動画:初めてのジュエリーリフォーム、知っておくべき基礎知識
動画:ジュエリーリフォームを依頼する前に気をつける4つのこと
十分打ち合わせをしたのに不満足
完成度が高い良い物が出来上がったけど、ちっとも着ける機会がない。
自分のファッションやライフスタイルに合わない。
こういった感想はよく耳にします。
特にたくさんのジュエリーをお持ちの方、お子様やお孫様に譲ろうと考えていらっしゃる方、断捨離をしたい方。
こういったお客様はデザイン以前のコンサルティングが必須です。
例えばそのジュエリーはリフォームするべきか?何を作ったらいいのか?自分に合っている物は何なのか?
こういった制作以前の問題を十分に検討する必要があります。
石の知識や価値など相対的なアドバイスを受けることはできましたか?
リフォームやオーダーメイドに対するお客様の思い、ライフスタイルやファッションなどをざっくばらんに伝え、一緒に検討することができましたか?
こういった事前のコンサルティングは、店側にとっては益のない時間であるかもしれません。
ですが納品後のトラブルを防ぐため(店側のメリット)、お客様の満足度を高めるため(お客様のメリット)には、結局双方にとって必要な時間なのです。
お客様のファッションや雰囲気を見抜き、あっと驚くような新鮮な提案をしてくれるリフォーム店に巡り会えれば、お客様がプロデューサーとなって造りあげるジュエリーは、既製品を買うことでは味わえないワンランク上の贅沢な物となるでしょう。
ジュエリーリフォームする価値はありますか?《ジュエリーコラム》
その他の注意点
●外したメレダイヤは全て使うことは出来ないことも多い、ということを理解しましょう。
もったいないからと言って無理やり使うと、バランスが悪くなったりデザインが崩れることがあります。
再利用できるか否かの判断はメレダイヤの品質を判断できるプロに相談しましょう。
私が綺麗なメレダイヤを使う理由《ジュエリーコラム》ご参照ください。
●職人の技術も大切なポイントです。
同じデザイン画からでも職人(手)が違えばびっくりするぐらい違った出来上がりになることがあります。
バランス良くデザイン画に忠実に製作できる技術があるかどうか、過去の制作事例をよく見て下さい。
また大切な石をお預かりするのですから事故があってはいけません。
そういった観点からも、職人の腕前は重要な要素です。
どうして自社工房/専属職人なのか?《ジュエリーコラム》
●ここまで読んで頂ければ既にお気づきかと思います。
単に料金を比べて安いという理由だけで発注しないように!
なぜ上手くいかなかったのか?どうして?なぜ?にお答えいたします。お気軽にお問い合わせください。
2017年5月 記
2018年9月加筆、修正
順次加筆して参ります。