ジュエリーリフォームのお問い合わせの際に、よくお客様からいただく質問です。

「使わなくなったリングやチェーンを溶かして、新しいものに作り替えられますか?」

無理にやって出来ない事はないことはありません。ですが、綺麗に仕上がらないこともあること、色が変わってしまうこともあることご理解ください。

ジュエリー枠やチェーンに加工された地金には、様々なロー材やメッキ等が含まれています。持ち込まれる様々なジュエリー枠やチェーンは、どこで、どのように加工された地金か分かりませんし海外の物もあるでしょう。このような地金類を、まとめて溶かして良いわけがありません。

このような事情から、地金を再利用して新たなジュエリーを作成する場合、古い地金に新しい地金を半分以上加えた方が良いと言われています。しかし地金価格が高騰している昨今、どれぐらいの割合で新しい地金を足しているか?どのような地金を再利用しているか?は、工房や職人のモラルによるところです。

溶かして再利用することを”技術”と謳っているショップもありますが、『溶けきらなかった物質が残る』『輝きがない』『変色してしまう』等の不具合を起こす可能性があることも理解しておかなければなりません。そのため私は、できるだけ地金の再利用はせず、新しく綺麗な地金を使用するようにしています。特に18金イエローゴールド、ホワイトゴールド、ピンクゴールドは地金メーカーで精錬し、金品位を保証されたものを100%使っています。

ジュエリーリフォームで宝石を外した後の、ゴールドやプラチナの地金

また、時々見かける『古くなったジュエリーを溶かして、新しいものに作り変えませんか?』という宣伝文句は、お客様に誤解を与えかねないと思います。

前述の通り、『再利用した地金だけで新しいジュエリーを作る』ということは、ほぼ考えられません。割合は工房や職人により異なりますが、必ず新しい地金を足しているはずです。たとえば5グラムのリングを作るためには2〜3倍の地金量が必要ですし、溶かす、リングに適したサイズに伸ばすという作業が加わりますので新たな工賃も発生するということになります。

また、もし新しい地金を全く足さずに作っているとすれば・・・、新しいジュエリーの品質は大丈夫なのでしょうか?本当にお客様の地金を使用してもらえたのでしょうか?

「形見のリングだから、チェーンだから」ということで、地金を売ってしまうことに抵抗を感じる方もいらっしゃると思います。そのような場合は、上記の問題を充分にご説明させていただいた上で、それでもどうしても!という時は、 一部を切り取ってデザインに組み込んだり、チェーンをそのまま利用したデザインにするなど、極力溶かさない方法でご提案させていただきます。

【参考事例】
形見の結婚指輪をそのまま使ったリフォーム

せっかく新しいジュエリーを作るのです。どうぞ、お客様が何歳になっても着けられる本物のジュエリー、いつまでも美しく輝く、完成度の高いジュエリーを手にしてください。

※なお当店では、プラチナ類、金類については確認の上買い取らせていただき、ジュエリーの出来上がり代金から差し引かせていただきます。詳しくはFAQ『Q.09 不要になった枠やダイヤモンドは、買い取ってくれますか?』をご覧ください。