ジュエリーリフォーム 地金は溶かして再利用しない!?(c11)

ジュエリーリフォームのお問い合わせの際に、よくお客様からいただく質問です。

地金下取り

「使わなくなったリングやチェーンを溶かして、新しいものに作り替えられますか?」

無理にやって出来ない事はないことはありません。ですが、綺麗に仕上がらないこともあること、色が変わってしまうこともあることご理解ください。

ジュエリー枠やチェーンに加工された地金には、様々なロー材やメッキ等が含まれています。持ち込まれる様々なジュエリー枠やチェーンは、どこで、どのように加工された地金か分かりませんし海外の物もあるでしょう。このような地金類を、まとめて溶かして良いわけがありません。

『溶けきらなかった物質が残る』『輝きがない』『変色してしまう』等の不具合を起こす可能性があることも理解しておかなければなりません。

このような事情から、地金を再利用して新たなジュエリーを作成する場合、古い地金に新しい地金を加えた方がよいでしょう。しかし地金価格が高騰している昨今、どれぐらいの割合で足すのか、どのような地金を再利用できると判断しているか?は、工房や職人のモラルによるところかと思います。

そのため私は、できるだけ地金は再利用はせず、新しく綺麗な地金を使用するようにしています。特に18金イエローゴールド、ホワイトゴールド、ピンクゴールドは地金メーカーで精錬し、金品位を保証されたものを100%使っています。

また、時々見かける『古くなったジュエリーを溶かして、新しいものに作り変えませんか?』という宣伝文句は、お客様に誤解を与えかねないと感じています。本当にお客様の地金を使用してもらえたたかどうかは、疑わしいところでもあります

鋳造の場合はまず不可能ですし、鍛造の場合でも必ず地金を足さなくてはなりません。何より溶かす、伸ばす、叩くなどの成型するというエクストラの行程が加わるわけですから料金的には高くなってしまいます。

さて、「形見の物だから」ということで、シンプルに地金を売却してしまうことに抵抗を感じる方もいらっしゃいます。そのような場合は、上記の問題を充分にご説明させていただいた上で、それでもどうしても!という場合は次のようなご提案をすることがございます。元のジュエリーの一部を切り取ってデザインに組み込んだりして、そのままの地金や一部を利用するデザインにするなど、極力溶かさない方法でご提案させていただきます。

*メンズの印台リングのように十分グラム数があるもの、なおかつ地金品位の高い物であれば、溶かしてお客様の地金でお造りすることも可能です。

【参考事例】
形見の結婚指輪をそのまま使ったリフォーム

せっかく新しいジュエリーを作るのです。どうぞ、お客様が何歳になっても着けられる本物のジュエリー、いつまでも美しく輝く、完成度の高いジュエリーを手にしてください。

※なお当店では、プラチナ類、金類については確認の上買い取らせていただき、ジュエリーの出来上がり代金から差し引かせていただきます。

●私が「綺麗なメレダイヤ」を使う理由
●ジュエリーリフォームする価値はありますか?
●成功するジュエリーリフォーム
●価値あるジュエリーとは何か?
●「ジュエリーリフォーム」から「ジュエリーリモデル」へ
●ジュエリーリフォームしたら鑑定書を取りなおさなくてはいけないの?
●ジュエリーに使用する金属(地金)
●ジュエリー制作/豆知識
●ダイヤモンドプチネックレス/チェーンの取り付け方(こだわり)
●婚約指輪を買う前に。ダイヤモンド選びのポイント
●ダイヤモンド基礎知識/おさらい《4C’s》
●4Csは知ってるけど…..5番目の『C』って何?
●指輪のサイズの決め方
●ジュエリーの工房/職人