「林さんはジュエリーデザイナー?」とよく聞かれます。

自分のブランドを持って商品を販売していらっしゃるのがデザイナーさん。自分の感性を100%商品に込めることができ、それをお客様に気に入っていただき、商品をお買い上げいただく。海外ブランドだけでなく、日本にもとても個性的で素敵なブランドがたくさんあります。

メーカーの社内デザイナーとして、企画に合わせた商品を開発する。素材や金額などの制約の中でアイデアを出してデザインする。このような人たちも、ジュエリーデザイナーと呼べると思います。

お客様の『好み』や『テイスト』は多種多様化しており、「私はこんな風にしたい!」とはっきりとしたイメージをお持ちのお客様が増えています。そんなお客様のニーズに合わせて、店頭などでお客様と直接お話をしてデザインを描くことのできるデザイナーも、少しずつ増えているように感じます。

私はジュエリーデザイナーでしょうか?

私の仕事の一面は、服飾業界で言えば『パタンナー』です。パタンナーは、デザイナーのイメージを現実の商品に反映させければなりません。お見積もりもできなければならないし、お客様のTPOにあわせてご提案できる感性も持ち合わせていなくてはなりません。素材についての知識も必要ですし、実際に製作する工程のことも分かっていなくてはなりません。これら全てのことを、デザイナーに求めるのは無理というものです。自論ですが、デザイナーは、製作工程や素材の強度や価格等に制約を受けず、自由な発想でデザインを考えるべき、と考えています。

この『パタンナー』的な役割、ジュエリー業界で言うならば、『ジュエリープロデューサー』だと思います。ある時はデザイナー、ある時はお客様と職人を繋げるコーディネイター。様々な知識を必要とし、商品が出来上がるまでを総合的に監修する、このジュエリープロデューサーという人材は、今ジュエリー業界では不足していると思います。どんな留めにするのか?どんなグレードのメレダイヤを使用するのか?いくらで出来るのか?等々、ジュエリープロデューサーの良し悪しで、出来上がってくるジュエリーの良し悪しが決まる、といっても過言ではありません。

私はジュエリーデザイナーではなく、ジュエリープロデューサーと名乗るべきなのだ、と最近気づきました。

日々お客様のご要望やご質問を受けていますと、あらためてこの仕事の奥深さを感じます。最近のトレンドに敏感でなくてはいけませんし、安い!お得!だけの提案しかできないようではいけません。お客様が5年後も10年後も気に入って着けていただけるような、お客様サイドに立った提案が必要です。製作の面でも、デザインや素材の面でも、常に新しいことに目を向け、挑戦していくことも課題のひとつです。

最後に、結果としてお客さまに最高の賛辞をいただけた時が、この仕事に携わっていて本当に良かったと感じる瞬間です。お客様サティスファクションの精神で日々努力、精進していくつもりでおります。これからもご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

こちらは職人としての私。