ネオングリーンの閃光!デマントイドガーネット(c19)

今、ジュエリーコレクターの間で秘かに人気のデマントイドガーネット。

鉱物的にはガーネットグループに属しますが、名前の『デマントイド』(Demantoid)はオランダ語で『ダイヤモンドに似た』という意味で、ダイヤモンドのような美しい輝きがあったためそう名付けられました。それはなんと。。。1853年、今から150年以上も前のことです。

ヨーロッパでは宮廷ジュエリーとして、また、かのティファニー社もデマントイドガーネットを使用した数々のジュエリーを製作しています。

でもなぜ今日本で? それは私にも分かりませんが、ここにきてネット上でも、コレクターさんの間でも、非常によく耳にするようになりました。

それまでの私の知識としては『ダイヤモンドのような輝きを持ち、美しい緑色のガーネットで、特にその内包物にホーステールインクルージョンがあり、その位置や形状により価値が跳ね上がるという大変珍しい宝石』というところでしょうか。。

さてここでお客様からのリクエストは『ファイアーの出るデマントイドを探して!』

宝石学術用語として『ファイアー』という言葉をあまり使ったことが無かった私なので、はっきりとした定義のようなものが分かりません。これは私が、宝石鑑定士の資格を英語で取得していたからでしょう。。。

ダイヤモンドで言うところの『ファイアー=ディスパージョン』という認識でいいのか?が分かりませんでした。ディスパージョンとは、ダイヤモンドに現れる虹色の輝きです。はたして色石にディスパージョンが見えるのだろうか?、学術書などを見てもあまりファイアーの事は記述してありません。ただネットショップなどでは、デマントイドガーネットの記述で『ファイアー』のことを謳っているサイトもありましたので、これは勉強してみなくては!と思いました。

デマントイドガーネットは非常に強い、ダイヤモンド以上の分散度を持っています。この強い分散度のおかげで、『ファイアー』を見ることができるのでしょうか?

実際に数点のデマントイドガーネットを見てみると、蛍光色の緑の濃い(クロムによる)ものには、あまりこの虹の輝きは見られませんでした。ただ、少し薄いイエローがかったようなグリーンの石には、ギラギラと様々な色のダンスを見てとることができました。これが『ファイアー』か。。。

では、どのようなデマントイドガーネットが価値があるのでしょうか? それは求める人の価値観によるのでしょうが、私が記すとするならば。。。

① 色:どんなトーンの緑色が好きなのか? 蛍光色が強い緑? 少しイエローがかった緑? これは個人の好みの問題。

② 形:ダイヤモンドLIKEですから、丸型のブリリアントカットが多いのですが、やはりこのカットが一番分散率を発揮する形でしょう。

③ 照り:これはホーステールインクルージョンの入り方にかなり左右されます。でも照りが無くても、ホーステールインクルージョンが美しく入っていれば、価値は高いのでは?と考えられます。

④ ホーステールインクルージョン:ロシア、ウラル産を証明する内包物。その形状は? 中央から放射状に広がっているのか? 馬の尻尾のような形をしているのか? これは是非ルーペで見て想像を広げていただきたい。(馬、乗馬愛好家に人気があると言われています。なるほど!)

⑤ ファイアー:まさしく虹色の光のダンスです。他の宝石にはない特徴である、ファイアーの強く出るものを求めることも、デマントイドガーネットの魅力の1つだと思います。色の薄めのものにハッキリと見えます。なんとも不思議な宝石です。

 

緑色の照りのとても強烈な石ですから、脇をダイヤモンドなどで装飾しても負けません。ただ1ct以上の物はかなり稀で、小さな物が多いので、デザインをよく検討されて高級感あるデザインにすることが、成功するオーダーメイドのポイントなのでは?と思います。

以上、デマントイドガーネットをお探しの方には、参考にしていただければありがたいです。

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