コーティングピンクダイヤモンドの登場(c04)

『コーティングピンクダイヤモンド』をご存知ですか?

すでにご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、こういった情報はぜひ皆さんと共有しないと!
それに自分の勉強のためにも記すことにします。

『コーティングピンクダイヤモンド』、つまり表面処理ピンクダイヤモンドについてです。

ファンシーピンククラスのコーティングピンクダイヤモンドのルース

先日ひょんなことから私の手元へやってきました。なんとキレイなピンク色でしょう!!グレードで言えばファンシーピンク、インテンスファンシーピンクと同等の色。ですがルーペで見てみると、なんとなくグリッタリー(油膜みたいなギラギラ)な外観です。

すでにメーカーなどで扱っている所もあるらしく、このコーティングピンクダイヤモンドを使った商品も市場に出回りだすようです。

そこで、このコーティングピンクダイヤモンドと上手に付き合うための注意点をまとめてみました。

注意点1:コーティングの有無が分かりにくい

まず知っていただきたいのはコーティング処理のことです。ピンク色のコーティングは、ダイヤモンドのガードルから下のパビリオン(下半分の円錐形の部分)にのみされているそうです。ということは、枠に留めてしまった後などパビリオンを見ることができない状況では、そのピンクダイヤが天然なのか?コーティングなのか?を判定することができません。このご時世にそこを偽って売ろうとする業者はいないと思いますが、価格面などに疑問を感じた場合は確認したほうが良さそうです。

注意点2:コーティングは酸に弱い

次に購入後の問題として、このコーティング処理は酸に弱いそうです。通常、ダイヤモンドは加工の工程で必ず酸で洗います。もし職人がコーティング処理されていることを知らずに酸で洗ってしまったら、コーティングは剥がれ白いダイヤモンドに戻ってしまいます。

これまでにも『放射線処理ダイヤモンド』が流行ったことがありました。その頃はブルーが多かったのですが、これは表面上だけの処理ではないので加工の際も安定性がありました。ただ火に近付けた所、綺麗なアップルグリーン色になってしまったことがあり驚いた記憶があります。

あなたは『コーティングピンクダイヤモンド』を買いますか?

さて、この『コーティングピンクダイヤモンド』。『ナチュラルピンクダイヤモンド』に比べて安く、コーティング処理について十分にご理解の上で購入されるのでしたら良いでしょう。ですが価格差が非常に大きいからこそトラブルが起きそう・・・と不安にも思います。説明が正しく行われずナチュラルピンクと思って(偽られて)購入し、その後修理やリフォームの際に酸で洗って白くなった!・・・なんてことになったら大問題です。何より、売り手側に正しい情報が行き渡っているのかも心配です。

綺麗で安ければいいのか?やっぱり処理されていないナチュラルなものがいいのか?それは究極の選択??
ピンクダイヤモンドは綺麗ですが、お買い求めの際には十分お気を付けください。

2022年加筆:こちらのページに解説させていただいたコーティングピンクダイヤモンドはマーケットではほとんど見受けられなくなりました。

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