海外で宝石を買う人へのアドバイス(c36)

旅行で海外を訪れ、その土地(国)で採掘された石を買う。
これは思い出を買うことでもあり、とても素敵な体験だと思います。

当店にお越しくださるお客様にも・・・
オーストラリアでオパールを買ってきた!
スリランカでカラーサファイアやトルマリン。
東南アジアでしたら何と言ってもコランダム(ルビーやサファイア)でしょう。
はるばる採掘現場近くまで出掛け、まさに地球から掘り出したばかりの石を買ってきました! というセミプロも。

色石

残念ながら日本で産出される宝石は、種類が非常に限られます。
ルビー、サファイア、ましてダイヤモンドは産出されません。
ですから旅先で美しい石を目にそこで算出されたものを「旅の思い出に!」と思われるのも当然でしょう。
そしてどんな石を買うか?、はたしてお得なのか?、そのドキドキがたまらない・・・
分かります!、旅先で財布の紐もすっかり緩んでいますものね(笑)。

そして「せっかく宝石を購入したのだからジュエリーにしたい!」
そう仰って当店にお持ち込み頂くお客様がとても多く、ありがたく思っています。

さて、お客様のドキドキ体験の産物(石)を見せていただくと・・・
「本当にお安く良いお買い物をされましたね!」というケースは残念ながら少ないです。
『原産地で購入=安い or 高品質』とは一概に言えません。

私も色々なところへ出掛けて、ルースを見てきましたが、
品質に関しては日本の目利きのバイヤーが輸入したルースの方が高いということは間違いなし
またその石を留めてある枠に関しても地金の信頼度、作りの精度は間違いなく日本の方が高いです。

ですが・・・
旅先でその石と出会った時の高揚感や、購入にまつわるエピソードはプライスレスです。
思い出を購入したと思えば、それほどガッカリすることもありません。

もしもこれから海外へ行かれ、宝石を購入するかも・・・というお客様へ、私からアドバイス。

①たくさんの石の中からドキッとして素直に「素敵!綺麗!」と思える石をチョイスすること。
②その価格が「自分が支払ってもよい」と思える価格であること。
③できればその石が何か?を証明したものがついていることが望ましい。
③店の人のセールストークに流されず、自分で決めること。

この4つを守って購入したならば、後から実は価格が高かったと分かっても、「自分の気に入ったものを手に入れることが出来た」と納得することが必ず出来ると思います。
宝石は品質だけがその価値ではありません。
思い切って『思い出の石』をゲットして下さいね!

そしてもしも「ちょっとこの石、イマイチだった?」と思われても、キラッと輝かせる良い方法があります。
それは『再研磨』です。
実は現地で購入された石を拝見すると、研磨状態があまり良くないことが多いのです。
コストを抑えるためか、技術不足か、あまり丁寧な研磨はされていないことが多いです。

これを再研磨することで綺麗にアウトラインを整え、テーブルの位置をセンターに、カットは左右対称に、ファセット(面)を増やし・・・
少し手を入れるだけで、同じ石とは思えないほど輝いて美しい宝石になります!
当店ではジュエリーをお仕立てする際に『再研磨』も承りますので、ぜひご相談下さい。

問い合わせバナー質問

先日も海外を飛び回るフォトグラファーのお客様の石をお預かりし、ジュエリーをデザイン、制作させて頂きました。
その打ち合わせの際に、海外での楽しい思い出をお聞きかせ頂きましたが、それはとても楽しいひとときでした。
制作させて頂きながら、お客様が見ていらした美しい景色や植物や動物に思いを馳せ、私もご一緒に旅をさせて頂いた気分です。

ALPS Photography

トップページのスライド画像を見ているだけでも癒されます・・・店主