数あるジュエリーリフォーム会社の中で、当店が大きくアピールしたい点は『自社工房がある』ということです。なぜ私が自社工房そして専属職人にこだわるのか。今回はそれについて書きたいと思います。

長年この業界、とくにジュエリー製作の現場に身を置いて確信したことがあります。それは『デザイナーと職人との距離は、作品の出来栄えに比例する』ということです。

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それを説明する前にまず『ジュエリーリフォーム業』というものについて簡単に説明したいと思います。ジュエリーリフォーム業者と言ってもその形態は様々で、大きく分けますと2つ。『既成品のジュエリー枠に石を載せ替えるリフォームを専門に行う業者』と、当店のように『デザイン画から制作する一点物のリフォームを専門に行う業者』とに分かれます。さらに後者の中には『社内にはデザイナーがいるだけで、実際のジュエリー制作は外部の工房に委託している業者』と、当店のように『自社工房を持ち、制作まで一貫して行う業者』とがあります。

自社工房を持たずジュエリー制作を外部委託している場合、デザイナーと職人との打ち合わせはたいてい、業務依頼する際の最初の一回だけです。この時、どんなに緻密なデザイン画を用意し、言葉を尽くして打ち合わせを行っても、所詮は紙の上での打ち合わせです。「少し丸く」と伝えても、デザイナーの”少し”と職人の”少し”は違い、微妙なニュアンスを作品に投影することは難しいでしょう。それを是正するためには製作途中のチェックが欠かせませんが、外部委託の場合、それはほぼ行われません。反対にデザイナーと職人がすぐ近くに居れば、要所要所でチェックをすることができますし、職人の疑問にもすぐに答えることができます。必要以上に作業を止める必要はありませんが、何度もチェックをすることで「あぁ、こうじゃなかった・・・」と作業を大幅にやり直すはめになることもありません。

また私は、同じ職人や工房とできるだけ長く付き合うべきだと考えています。長く付き合えば職人の癖や得手不得手が理解でき、職人側もこちらの好みを理解してくれます。それにより先の「少し丸く」問題はだんだんすり合わせされ、デザイナーと職人との共通認識となります。業者の中には色々な思惑により職人や工房をコロコロ変えている所もあるようですが、それではお互いの信頼関係も育ちません。

もちろん良い点ばかりではなく、マイナスの点もあります。それはどんな業種でも同じでしょうが、長く同じ相手と仕事をしていると馴れ合いになりがちだということです。そうなりますと新しいことに挑戦しなくなり、職人の出来る範囲でしかデザインを描かないようになります。その結果、すべてが似たような出来上がりになり、職人の技量も上がりません。そういったことにならないため、
「今、世の中ではどのような物が流行っているか?」
「新しい工具や機械はないか?」
「業界に浸ってしまい、マンネリになっていないか?」
と、いつも新鮮な気持ちでいるよう心掛けています。

というわけで当店は、お客様をお迎えするサロンのすぐ隣に自社工房を置き、専属職人と時には私自身が制作をしておりますが、この環境は私が快適に仕事をするために欠かせないものです。何故なら、自分が納得しないジュエリーをお客様にお納めすることは、私にとって一番のストレスですから。良い作品が出来上がるということが、私にとって快適な仕事なのです。

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*当店のエントランス。右のドアからお客様との打ち合わせスペースへ、左のドアは工房への入り口となっております。

 

 

 

皆様も是非、ジュエリーリフォームを検討される際には店構えや価格だけにとらわれず、どのように制作しているのか?といった所まで、よくお確かめになってくださいね。

この場を借りて、いつも私の時には度を越した注文に気分を害しながらも付き合ってくれる職人に感謝の気持ちを贈ります。