欧米では、多少のキズや色などは気にせず、見栄えの良い大粒のダイヤモンドを好んで買うようです。
それに対し日本では、『カラット(大きさ)』よりも『カラー』『クラリティ』『カット』が重要視され、よりハイグレードなダイヤモンドを求める傾向が強いようですね。
どうも日本人は

『高価で高品質のダイヤモンドでないと美しくない!』という概念にとらわれ過ぎている

ように感じます。

形もそうです。
ダイヤは丸だけではありません。
ハートシェープ、ペアシェープ(なみだ形)、マーキス(船形)、オーバル、エメラルドカット。最近ではアッシャーカット、クッションカットなどなど。
他の人と差別化をはかるためにも、丸型以外をチョイスしてみてはいかがですか?

またここのところのトレンドとして、「カットが重要!」と勧めるジュエラーが多いように感じます。
『トリプルエクセレント(3E)』『ハート&アロー』『ハート&キューピット』・・・、次々にカットの素晴らしさを表す新しい言葉が生まれています。
これは売る側の戦略もさることながら、買う側のダイヤモンドに関する知識不足、鑑定書や売り手側からの一方的な情報・宣伝に頼ってしまう姿勢にも要因があると思います。

それではプロの私だったら、どんなことをポイントにダイヤモンドを選ぶでしょうか?

やはり自分の目で見て確かめます。鑑定書を?いえいえ、ダイヤモンドそのものを、です。

もしあなたがダイヤモンドを買うのであれば、鑑定書だけに頼らず、必ずダイヤモンドをルーペで見てください

(お店で借りられる場合もあります。その際、見方も教えてもらってくださいね)。

《見ていただきたいポイント》

●キズ
同じグレードの物でも、そのキズがどこにあるのか?は重要なポイントです。
ほとんど見えない位置にあれば良いですが、ダイヤモンドの中心にあれば目立ちます。

●カーボン
ダイヤモンドの内包物に黒い結晶があります。
これを『カーボン』と言います。
これもキズと同様、場所や大きさによってダイヤモンドの美しさに影響します。
実際には1つしか無いはずのカーボンが、上から見ると3つにも4つにも見えることがあります(万華鏡のように)。

●オイリー
あえて表現するならば、透明な水の中に白い絵の具を落として、混ぜたような見え方をするダイヤモンドです。
鑑定の評価要素ではないので見落とされがちですが、『グレードはすべて良いのに、なんでこんなに安いのだろう?』という場合は、疑ってみてもいいかもしれません。

●フロスティガードル
ダイヤモンドを真上から見て、円周の側面部分を『ガードル』といいます。
最近は少ないようですが、このガードルが研磨されておらず、曇りガラスのようになっているものを『フロスティーガードル』と言います。
鑑定の評価要素ではありませんが、リングにセットすると爪と爪の間にこのガードルの白い線が目立って気になることもあります。
研磨したガードルとそうでないものでしたら、研磨したガードルを選びましょう。

●蛍光性(Fluorescence:フローレッセンス)
ダイヤモンドに紫外線を当てるとブルー(または他の色)に発光しますが、その度合いのことです。
『None(全くなし)』『Faint(かすかに)』『MediumBlue(中程度の青蛍光)』『StrongBlue(強い青蛍光)』『VeryStrongBlue(非常に強い青蛍光)』の5段階に分類されます。
オイリーと同じく鑑定の評価要素ではなく、鑑定書ではコメント欄に記載されます。
「蛍光性が強いと美しくない」ということはなく、個性と捉える人もいる反面、蛍光性を避けるジュエラーも多く、再販時にマイナス要素となる場合もあることを覚えておきましょう。

●「0.99ct」or「1.0ct」??
ダイヤモンドの価格を比較するとき、『ガイ』をいう単位を使用します。
『ガイ』とは、1.0ctあたりの価格です。
例えば0.5ctで50,000円のダイヤモンドのガイは、100,000円です。
問題はこのガイが、僅かなカラット数の違いで、大きく変わってしまうことです。
例えば0.99ctと1.0ctの場合、たった0.01ctしか違わないのに、ガイにはとても大きな開きがあります(1.0ctの方が断然お高い!)。
「絶対に1.0ctがいい!」ということでなければ、見た目はほとんど同じでもずっとお値打ちな、1.0ct未満のカラットを選択することもありでしょう。
ただしやはり1.0ctの方が人気があり高額で売れるため、ダイヤモンドの加工業者は、何とか1.0ct以上になるようにカットします。
そのため0.9ct台にカットされたダイヤモンドが市場に出る事は、とても少ないです。

●カット
昔に比べてカットの鑑定基準もずいぶん厳しくなりましたので、『VeryGood』以上なら充分に綺麗だと思います(ダイヤモンドのサイズにもよりますが)。
『トリプルエクセレント(3E)』『ハート&アロー』『ハート&キューピット』などの”付加価値”のために高額を払う前に、もう一度よく検討してください。

以上、プロがダイヤモンドを見るときに気を付けるポイントを挙げてみました。

これまでに、立爪リングのリフォームを数多くやらせていただきましたが、実はほとんどのお客様が、ご自分のダイヤモンドの大きさは覚えていらしても、グレードは覚えておられません。
『鑑定書?どこいっちゃったかしら??』というお客様も多くいらっしゃいます。
ということは、『カラー』『クラリティ』『カット』ももちろん大事ですが、最後はやはり大きさ、つまり『カラット』かしらね・・・と感じています。

ダイヤモンドはとても美しく、人々を魅了してやみません。
あなたはどのような基準で手にいれますか?
品質重視?、大きさ優先?、はたまた投資の対象として??

お客様が最高のお買い物ができるよう情報を共有できたら、と考えています。
皆様からの情報、ご意見、ご質問をお待ちしております。

※ダイヤモンドのルースは、当店でご購入いただく事も可能です。
その場合、長年の取引で培ったコネクションを駆使し、お客様のご希望に沿ったラインナップを揃え、卸値で提供させていただきます。
もちろんGIAGG(米国宝石学会宝石鑑定士)の資格を持つ私が、ダイヤモンド選びをお手伝いさせていただきます。ぜひご相談ください。

ーーー 追記 ーーー

2006年4月から日本のAGL(宝石鑑別団体協議会)は、ダイヤモンドのカットグレードの基準を『AGL方式』から『GIA方式』へ一斉変更しました。
これはつまり『2006年3月以前に鑑定されたダイヤモンドを、今後もう一度で鑑定し直した場合、カットグレードが変わってしまう可能性がある』ということです。

『AGL方式』から『GIA方式』への変更が、具体的にどのような基準で行われるのか?、また『GIA方式』でのカットグレードの算出方法などは、一切不明です。
鑑定書の記載を信じて購入した消費者は、一体何を信じればいいのでしょうか?

今後、ネットショッピング等でダイヤモンドのルースを購入検討されている方は、必ず鑑定された日付を確認してください。
そして2006年3月以前のものでしたら、もう一度鑑定し直してもらいましょう。